|
自衛隊に、次の文章を書いて私の意見を提案しました。 ○はじめに 自衛隊は、戦争をするためではなく、日本の国を守るためにあるわけです。 大きく言うと、国を守ることとは、自衛のための力を持つことだけでなく、災害があると出動して支援活動し、社会に貢献することだと思います。また、世界で争いがあると、裏方で食料支援をしたり、物資を運んだりして世界秩序の維持に貢献しています。 平和について私なりの考えがあります。戦争と平和、食料と平和、健康と平和です。 一番目は、指導者がいて、力のバランスが取れていて秩序を乱さないような平和です。 しかし食料があるのとないのでは大きく違い、食料が豊富にあればこそそれなりの平和が維持できます。 いい加減な食料では健康を害します。不健康な人ばかりでは健全な社会とは言えません。だから健康でなければいけません。健康であるためには、新鮮な野菜を食べるのが良いです。生きた取れたての野菜は、免疫力を高め、毒素を中和する能力があります。 キューバはソビエト崩壊後、国家の維持が困難になり、有機農業国家へと変貌しました。そのキューバの軍隊は、平時には国の安定のために有機農業生産をしているそうです。 私は、これからの自衛隊のあり方を、もっと大きな視点で考えてもいいと思います。 自衛隊は健康な食生活を過ごしているとは思いますが、マニュアル化された食事を提供されて、それはただ市販されているもの、加工されているものが盛り付けられて、食べているのではないでしょうか。わたしはこういう食べ物ではなく、本物の食料、すなわち自衛隊自らが作った新鮮な食品を食べてもらいたいと思います。 ○自衛隊に求めること 自衛隊員は25万人30万人と言われていますが、その人たちの食料を、自分たちで生産してほしいと思います。自衛隊はあらゆることを全部自分でできるような強い存在であってほしいと思うからです。 自分の生命を守る、国民の生命、財産を守るという意味で、弱い生命であっては困ります。誰よりも健康で、正常であってほしいと思います。 知恵もしっかりしている必要があると思います。人を守るという意味での自衛隊は、ただ腕力、喧嘩が強いという世界ではいけないので、安全な活動ができるように、コミュニケーション能力が必要だと思います。 ○支援に必要な技術の提案 自衛隊の国内、国外における災害支援や、海外の平和維持活動において、食料生産のスキルが絶対に必要だと私は考えます。災害が発生した場合に、即座に食料生産の取り組みができるような学習が必要だと思います。 自衛のための武器の練習だけではなく、命を育てる食料生産技術の習得に目を向けるべきではないでしょうか。 災害になると食料を運ばなければなりませんが、現場の状況の中で食料を生産することができるとすばらしいと思います。 貯蔵食料を運搬するのもいいのですが、栄養学の観点から見て、新鮮な生野菜、生きた食料といったものが免疫を高めるために必要な本物の食材だと考えるからです。 すぐに現地で資材を組み立てて、種子を持っていってスプラウトのような栽培や、葉野菜の植物工場のような1週間で収穫できる技術があります。 また、私はニューマチック構造のエアードームをやっていますが、このエアードームで避難所を作ったり、植物工場にしたり、そういう技術も習得していると役に立つと思います。インスタント農業のようなぱっとできる水耕栽培、ニューマチックでハウスを作り、ベッドを作り、野菜をベッドに浮かして栽培してしまう。学校のプールでも水耕栽培をすることができれば面白い。 草はどこでも良く育っています。草にも食べられるようなものがあります。必要に応じて現地でその草を栽培していく技術も考えられると思います。 また現地で医薬品がすぐに手に入るとは限りません。薬草の見分け方を知っていると役に立つのではないでしょうか。そして薬草も栽培していく。種子、株、根をいち早く増殖していく技術が必要です。薬になる薬草、薬菜、自衛隊が人を守っていく知恵の中には、必要だと思います。 食料不足になっていくと、それは戦争よりも悲惨になります。こうなるといけないので、日本はODAで食料援助をしていますが、このほかにも自衛隊が施設農場を造り、食料基地を造ることも支援事業になるのではないかと思います。私たち農家では海外で自分たちの身を守ることができませんが、自衛隊の皆さんならば、確実に支援ができると思います。 昔の話になりますが、米軍が日本に進駐軍で駐留したときに、日本の野菜は不衛生で食べられないということで、調布とかに水耕栽培を持ってきたのが水耕栽培の始まりです。米軍が水耕栽培の技術を持ってきて、日本人が労働者として働きました。日本人のある人が、そこから技術を学びました。そして現在の日本の農業の発展につながっています。 日本の国土面積だけでは、日本人全員の食料をまかなうことはできません。自衛隊が農業技術支援に行った国の食料生産が豊かになったときに、その食料を日本人のために分けてもらう、輸入させてもらう、ということを考えるのも、日本の平和のために必要なのではないでしょうか。 ○平時に期待する自衛隊の食料生産 武力攻撃から自衛隊が守っていく、という点だけでは、それは争いがないだけです。基本は攻められることがないように、また、災害時に支援をする、という役割であると理解しています。ですが、これからはもっと平和的な自衛隊、というのを考えてみてもいいのではないでしょうか。日本の自衛隊がしっかりとして、世界をリードすることができると良いと思います。 農業は国の宝だと私は小さいときに習いましたが、国の宝を守り育てるために、自衛隊が農業をするという視点があってもいいのではないでしょうか。これから農家が高齢化して人材が不足していきます。そして日本の食料自給率が減っていくことが予想されます。 国としての自主自立、一個人としての自主自立、自衛隊はまさに国家の見本を見せる、農業は国の宝ですから、自衛隊も国民の宝となるように、そういうテーマで、食料生産をして、モデルを作ってもらえるといいと思います。そのような中で、代表的なお米を、水田の一部を国営農場にして、自衛隊が管理していったら良いと思います。 我々は東京丸の内の地下に植物工場スタイルの農場を設計しました。人材派遣センターの株式会社パソナ所有のPASONA O2という名前です。これからは農業の人材派遣が非常に重要だと言われています。そういう中で、自衛隊が植物工場スタイルの農業をやるのもいいと思います。 先にも述べましたが、被災地の復興支援には食料生産が欠かせません。国民を守り、世界の平和維持のために働く自衛隊が、事前にしっかりと技術を身につけておくという意味としても、各自衛隊駐屯地に、ハイテク農場とローテク農場の両方があったらいいのではないかとご提案します。
by muraikunihiko
| 2007-06-30 10:50
| ドリーム
|
ファン申請 |
||